「なぁなぁ部長さんよぅ」

コータはトランペットをクロスで指紋をふきとっている
だってこれ以上メッキはがれたら嫌だし。
「なんだい?このくそむかつくコータくん」

黒ぶちメガネがトレードマークの部長はなんかいろいろかいている

中身を見ると吐き気が…
─オレ…漢字見たら死んじまうよ

「なんでラッパのうまい人吹部にいないんすか?」

「コイツ…なに言い出すかと思ったら・・・。
みんなうまいだろ?」

「今日〜めちゃくちゃうまい女の子に会ったんっすよ〜」

「へぇ…お前が言うんだからよっぽどうまいんだろな」

「なんでうまいのに吹部にいないのかな〜」
オレは楽器をケースにしまうとそのケースごと抱き締めた

「家の事情じゃないのか?」
部長の声にオレはケースを抱きしめる力が強くなった