「誰も聞いてなくても…オレは聞いてるから」 地面にしゃがんでいた三国くんは、のっそりと立ち上がり、ギターの彼からギターを受け取る。 …それはそうだけどぉ。 三国くんはこっちを見ながら、私の立つ一段目にゆっくり歩み寄ってくる。 うわあっ…何? 今日一番の至近距離!?三国くんの体が私のすぐ側にある。 「ギター…隣で弾くから、オレの方向いて歌って」 「…えぇっ!?」 な…何でそんな恥ずかしい事しなきゃいけないのぉ? あがらないけど、そういう照れは人並みにあるからぁ~っ。