マイエンジェル†甘い声で囁いて

「ギターは、コイツが弾くから…」


三国くんは一緒に連れてきた男の子を指差す。


細身で優しそうな眼鏡の彼は、ギターケースからアコースティックギターを取り出した。


ケースのチャックに弦があたり、ジャン…と切ない音が響く。


「うわぁ…。本当にやるの!?」


「おー。ま、頑張って」


が…頑張ってってぇ。


やっぱこの人、鬼っ!!


三国くんはお構いなしに続ける。


「歌って欲しーのは、コレ。メジャーな曲だから知ってるだろ?

見ながら歌っていーから。楽譜よめる?ハイ、歌詞と…一応、楽譜」


「楽譜…かぁ。音楽の授業レベルなら…」