「タクミ~!」


ドキン


登校中にその名前を聞いて、ドキッとする。


後ろを振り向くと、タクミが満面の笑みで、友達とじゃれあっていた。


私には、気付いてない様子。


と思ったら、タクミが顔を上げて私を見た。


友達の肩を組んでコソッと話すと、やがて私の方に一人で歩いてくる。


「オハヨ~、風ちゃん」


「…おはよぉ」


良かった。顔は一応覚えられてたんだ?