「胃…痛くなった?」


『まさに、今…痛くなった』


電話の向こうから、三国くんのため息が聞こえてくる。


「うそっ、ごめん!三国くんを元気付けるはずが、余計悪かった?」


『あー…痛ぇ…』


うわ~。どうしようっ。


「みっ…三国くん、薬飲んだら?スーッとするよ」


『いらね。オマエ、今どこいんの?』


「私はぁ…本屋さんの前。八坂書店って書いてある」


『…わかった』


わかった?






理解する前に、通信が途絶える。


…え?


何がわかったの?


呆然としてると、もう一回携帯が鳴った。