結局、二人で帰る事に。


いつも練習の後は、三国くんの方から先に帰れよって言うんだけど、


今日はさすがに言われなかった。







「ね、今日…歌う前。どうして私の方見てたの?三国くんいつもは集中してるよね」


「…あぁ。オマエ調子悪いんかなって思ったから。浮かない顔してたし。…最近顔色悪くねーか?ちゃんと寝てる?」


心配してくれてたんだ。私の景気づけとは、全く違ったけど、そうやって気遣われてたんだと思うと、嬉しいな。


「ちゃんと寝てるよ。寝過ぎなぐらいっ」


「そっか。ならいいけどな。プレッシャーに弱いタイプじゃないか、オマエって。

オレ、ライブ前んなると物入らなくなるからさぁ…羨ましいな」


三国くんはため息ついて、私を見る。


「三国くん…実は図太いと思ったけど、繊細?」