「…オマエって、ホレっぽいだろ。優しい相手をすぐ好きになる」


そう言って、おでこを軽く小突かれる。


まぁ…そうかもしんない。だけど三国くんが気になるのは、確かだよ?


「オレじゃなくても…いいんじゃないか?」


「…え?」


「オレじゃなきゃダメな理由、ないだろ?」


そう…言われると。そう…なのかな。


いやいや、三国くんだから気になるんだよ?


ピアノ弾く姿や、ギター弾いて二人でハモった楽しかった事が頭に浮かぶ。意地悪に見えて、優しい言葉をかけてくれる所も三国くんの魅力だよね。


上げては落とされるけど、今思えばそのやりとりも楽しかったんだ。


「オレじゃなきゃダメな理由…見つけたら教えて」


「…え?」


「そしたら、オマエの事…好きになるかも」


三国くんはそう言うと、私の頭に触れ髪をくしゃっと撫でる。


今、好きになるかも…って言った?


ドキドキして、胸が苦しくなる。