「タクミく~んっ、カワイイ!こっちこっち!」


うっわぁ。3年のお姉様方が、一斉にタクミと三国くんを携帯で撮ってる。


「は~い。うちらに一票入れてくれんなら撮っていーよ」


タクミは、ニッと笑ってスティックを指の上でくるくる回す。


お姉様たち、ウンウンって頷いてる。


…さすが、タクミだね。


女の扱い慣れてるわ。


それに引き換え、三国くんは…。


無反応…っていうか、特に嫌な顔をするでもなく。ニヤけるでもなく。


無防備な姿を写真に撮られようが避けもしないし、普段通り。まるで彼女たちがいないかのように振る舞う。


こちらもある意味お手の物で。あっぱれ三国くん!


「タクミ、早く」


三国くんはそれだけ言うと、彼女たちには一瞥もくれず、定位置につく。