「風ちゃんゴメン!クラスの準備手伝わないとダメでさ」


もう…まただ。


タクミはいつもこうやって、うまく逃げる。


「分かった…」


「あ、でも。待っててくれんなら、一緒ん帰ろーか」


「本当に?」


「ホントだって。じゃ、後でな」


タクミはカバンを持って、部屋を出て行った。


外では女の子の声が響いている。


黄色い声援が少し減った事から、数人はタクミについて行ったようだった。




私も…ついて行きたいよ。


同じクラスの子が、羨ましいな。