しっかり覚えてるしぃ…。


「そうじゃなくてぇ。私たちってどういう関係なのかな、って。ごめんね、重かったら無視して…」


うわぁ。ダメだ。タクミの反応が怖い。


廊下の壁にすがり、タクミから目を逸らす。何て言われるんだろ。


「風ちゃん、何が心配なわけ?あぁ…オレがあれから普通だから?」


タクミは前に立つと、壁に私を挟んで上から見下ろす。


近くって…恥ずかしい。


クラスの子がチラチラ見てるよ。


「う…ん」


チラッとタクミを見ると、優しく私の頭を抱きかかえてくれる。


「ごめん、オレいつも言われんの。付き合ってるかどうか分かんないって。

今は…風ちゃんが一番だから」


今は…。なんだ。


優しくされても、タクミの曖昧な言い方に心がズキズキ痛む。