「すごい事…思い出した。三国くんねぇ」


「うん…」


あんまり期待しないでおこ。落とされるから。


「彼女がいる方もいない方も、今彼女にしてあげたい事はなんですか?って質問に


好きな人のためにピアノを弾いてあげたいって言ってたらしいよ。それって…」


うわ。


昨日と少しダブった。


『オマエの為に、心込めて弾くから』


って言ってたよねぇ。


ヤバ。ドキドキしてきた…。


三国くんの顔がチラついて離れない。


「風、三国くんにしなよ」


「…えぇっ!?何それ~」


「だってさー。キスしても微妙な関係ってなくない?

私なんかいつも付き合ったら、次はいつ会える?いつ二人きりになれる?って雰囲気だらけだったよぉ?

タクミくんて、なぁんか信用ならんというか…。風は三国くんみたいに硬派で一人の人を思い続けるタイプがあってるんだって。ねっ!」


三国くんの事そこまで知らないのに、ちぃちゃん勝手な事言ってるし。