前のグループが突然キャンセルしたらしく、部屋に着くと軽音部の部長しかいなかった。
部長もバンド王国でエントリーしてたんだけど、意外にも落選…。だからこうやって、空室の管理をしてくれている。
「おー、三国。来たな」
部長は同級生なんだけど、私はよく知らない。三国くんとは、中学からの友達らしい。
「ここ、今から使っていい?」
「いいぜもちろん!だからメールしたのに。オマエのピアノ聞くの久々だしさぁ楽しみ」
ピアノ?あぁ、この人私たち二人がボーカルやるって知らないんだ。
「あー…悪いけど外して。二人で練習したいから」
三国くんは友達にそう言うと、黙ってピアノの蓋を開く。
二人で…。あぁ、だからさっき私を止めたんだ。
しかも、今日はギターじゃなくて…ピアノ伴奏?
最近見ていないけど、三国くんがピアノを弾く姿は綺麗で繊細で…且つ力強くて、ドキドキする。


