制服の袖からちょこっとしか見えていなかった手は


もうちょうど良くて、タクミにぴったりなサイズになっていた。


「前…制服ダブついてたよね?サイズ合ってきたんだぁ」


「んあ?そーだな、言われてみれば。制服がオレに合ってきたかと思ったけど、オレが伸びたんだ?

これ以上伸びたら、また制服買ってもらわね~と」


ハハッて笑うタクミに、ドキドキだよ。


顔付きも、だんだん大人になってる気がする。


タクミはあぐらをかいて、芝生から私を見上げる。


「風ちゃん…オレらといて、楽しい?」


「うん、もちろん!バンドに誘ってもらって良かったと思ってる」


「そっか。ならい~けど。学祭終わったらさぁ…」


そこまで言うと、タクミは口を閉じてしまう。