「た…タクミ!?」


タクミは握った手を離さない。


それは…


ミコちゃんがいう、バンド愛?


「一緒に演るメンバーとして…って事だよね?」


赤くなる顔を押さえつつ、タクミに聞いてみる。


「他に意味あるっけ?」


ニッて笑って私を見てる。もうっ。からかわれた。


「さ~、歌うかな。タクミ、弾いてよ」


「いいっスよ~。何でもどうぞ」


タクミの真っ直ぐな性格が、私を素直にしてくれる。


一緒にいると楽しいし、気が付くとメンバーの中で、彼は私にとって重要なポジションにいる事に気付く。


…本音が出せる、そういう相手。