「…その顔。何で化粧してんの?」


景は、私を見てニヤニヤしてる。


そうだった。ウィッグと服はミコちゃんに返したものの、顔はそのままだったんだ。


「ミコちゃんがやってくれた」


「ふーん。このアタマも何とかしてもらえよ。ダッセ~」


景は私の髪の先を束で取り、手のひらに広げる。


「ちょっと…やめてー。景っ、触んないでよ」


「オマエが人に何言われよーが知らねぇけど、三国くんには恥かかすなよ。ダサい女がボーカルで、ウケるかぁ?


ま、せいぜい頑張って。良かったら、タクミに忠告しといてやるよ」