優しい君に

こっそりと二人を見ると二人揃って微妙な顔をしている。



私はただ、話が変わることを願った。





「みぃっっ！！！！」





教室の戸の辺りから透き通った声が響いた。


見なくたって、誰だかは分かる。




「ッごめんなさい…っ…ちょっと席外すね…っ」



椅子から立ち上がって大ちゃんに駆け寄る。




「…約束、覚えてたんだ…」

「おぅ！当たり前っ」


「うん…ありがとう。」



お礼を言うと、大ちゃんは少し照れたような表情をした。