VOICE【短編集】



──もっと頼っていいんだよ?


そう、いつだったか、彼女は言ったっけ?
男だから、迷惑かけたくないから、自分の夢の為だから。そう言って俺はあの人に弱音を吐くことはしなかった。
弱みを見せることは、恥だと思ってたから。


「ああ、そっか」


『あぁ?』


「頼っていいんだ」


素直にこぼれ落ちた言葉が、少しだけくすぐったく胸に響いた。


『だからいいって言ってんじゃん、バカ東條』


クスクス笑う声。
あの人の笑い顔と、彼の笑顔が同時に浮かぶ。


「ね、やっぱりあの人と君、全然似てないや」


『は?』


「君のが断然可愛い」


笑いながら言ってみたら、案の定耳には罵声が飛んできた。いつも通りの怒り声。


「やっぱいいわー、もっと叱ってくんない?」


終いにはゲラゲラと腹が痛くなるまで笑う自分がいた。
さっきまでの頭痛なんてとうに消えて、曇っていた胸の奥に、ほんの少し光が差したような気がした。


「ね、高城くん。もしも明日が雨だったら、また電話してもいいかな?」


しかたねぇな、という声が聞こえたと思ったその時。
窓の外に目をやった。





遠くの空、雨の向こう、雲間に差す太陽の陽が輝いていた。










【END】

なんか、言いたいことの半分も言えてない話に(;_;)失敗。