なんだかもう両手を挙げて降参したい気分だった。
「なーんかもー、ごめんねー。情けないとこ晒しちゃってるなー」
苦笑いで頭を抱えた。そしてふと気付く。
少しだけ頭痛が和らいでいることに。
窓の外の雨は、ますます強く降っているのに。
『あー……、ったく。このばぁーか!!』
「うえぇっ!?」
オッサン呼ばわりの次はバカ呼ばわり。酷すぎる。
心底呆れたような溜め息が携帯電話の向こう側から聞こえた。次いで諭すような穏やかな声。
『あのさー、俺は別にあんたのこと心底嫌いってんじゃないよ?ま、90パー嫌いだけど。んー、でもさ、一応今はあんたが居るからこその俺らなんだよ。だから感謝はしてるし、頼りにもしてる』
思いもしない言葉たちに、胸がいっぱいになる。別の意味で息が止まりそう。
『で、だ。まあ俺としては?あんたの女の代わりにはもちろんなれないけど、話ぐらいは聞いてやらないでもないわけだ。だからさ……』
頼ればいいんじゃん?
照れたような、そんな口調で言ったその台詞が、あの日の彼女の台詞に重なった。



