VOICE【短編集】



なんと、紅志の目に飛び込んできたのはベッド脇の床に散乱する、彼女の服。

先程自分が脱がせてやった上着ではなく!
それは確かに今日、歌夜が着ていたはずのタンクトップ、ミニスカート、ニーハイソックス、……そして。

『し、し、下着まで脱ぐか?!』

思わずツッコんだ紅志。小声ですが。

ま、待てよ?!てぇことはベッドの中身は完全に“まっぱ”ということに?!

『~~~っ!!』

顔が熱くなってしまった紅志、このままでは獣になりかねない自分を必死で抑えようと、キッチンへ逆戻りして冷蔵庫から冷えたビールを取り出した。
それを一気飲みして、彼はリビングのソファへ腰を下ろした。

『なにこれ?拷問?挑戦?それとも挑発?』




……多分天然ですね。はい。




さてどうしようか、と考えあぐねた結果。

紅志はすっくと立ち上がり、もう一度ベッドへと近付きました!!