そんな桜舞う中、彼の顔に目をやれば……。

彼は、私の目を真っ直ぐに見つめていた。

その目を見たら、どうしても言いたくなった。
今、言わなきゃいけない。

そう思った。

気付けば私は譫言のように呟いていた。





「ずっと、好きだったの」





ビュウッと、もう一度風がすり抜けた。

それと同時に彼の口が動く。





「サンキュ」





満面の、笑み。

初めて、見た。暖かい、笑顔。