「なに、笑ってんのさ?」 「ごめんなさい。その癖、変わんないなと思って」 「なにそれ。ストーカー?」 「ち、違うよ!私はずっと……」 ハッとして口をつぐむ。 その時、ザワリ、樹が揺れた。と思ったら強い風が渦巻くように通り過ぎた。 砂埃に思わず目を瞑って、髪を押さえた。 「スゴい風……だ、ね……」 そっと目を開けた私の視界に、ひらひらと舞うピンク色の花びら。 その光景に、目を奪われた。 儚い、幻のような。 目の前の、光景。