「おまえもそろそろ彼女つくれよなぁ」



唐揚げを食いながらそう言う涼太は俺の唯一の友達。


茶髪で目がくりっとした涼太は凄くモテる。


会う度に彼女の名前が変わってる気がするけどまぁそれはいいか。




「おまえ顔もいいし背高いし、作ろうと思えば彼女の一人や二人余裕だろ?」


「俺は一夫多妻制反対だから」


「いや! 俺付き合ってる女は一人だよ?」


ケラケラ笑う涼太は女の最大の敵だなぁと思う。



「彼女なんかいらないよ」



彼女なんかいらない。

人と関わりたくない。



携帯の電話帳を開く。


登録されてる電話番号は最低限。


涼太とバイト先とバイト先の人と柴田さん。



必要最低限。



「おまえ無口だし無表情だし、だからだめなんだよ」


「……」



黙って食器を片付ける俺を見て涼太がふっと笑う。



「まーそれが瞬らしいんだけどさー」



でも、と続ける。



「家に来んの俺だけとか寂しくねえの?」


「うん、犬もいるし」


ちらっとソファーの上で眠るシーズーを見る。



「あー……つかそろそろ名前つけろよ」



シーズーを飼って二週間。

まだ名前は決まってない。