「ヒロさん?」


急に体を離した俺に、サガラはうっすら目を開けた。



「あっ、いや、あの」

「はい?」

「どうしたんだろ、俺……」



おかしい。

絶対におかしい。


昨日まで『一発屋』と呼ばれてたこの俺が!


16歳男子・ヤリたい盛りのはずの、この俺が!!



「……マジかよぉーっ」



サガラが愛しすぎて、緊張のあまりデキない――なんて。


こんなオチももちろん、サガラを好きになるまで経験したことなかったこと。