夢みたいだ。


ボキャブラリー貧困すぎて、こんなベタな表現しかできない自分が悔しいけど。



でもホント、今の気持ちも状況も「夢みたい」としか言えなくて。



一度はあきらめかけたサガラが、今は俺の腕ん中。


ずっと触ってみたかったキレイな髪が、俺のアゴのあたりをくすぐってる。



「サガラ。……い、いい?」



「はい」

と答えたサガラの声は、わずかに震えてた。



……サガラを部屋に入れた俺は、何か飲み物とか出すべきだと頭ではわかってたけど、そんな余裕はなく。


サガラを強く抱きしめて、冷えたお互いの体を温めた。