一瞬キョトンとしてしまったけど

サガラが俺の方に歩み寄ってきたから、やっとわかった。


サガラ……俺を優先して、バイト休んでくれたんだ――…。



「ヒロさん」

「……」



真正面に立ったサガラが、俺を見上げる。


冷たい風のせいで、サガラの頬が少し赤くなってる。


でもたぶん俺の顔はもっと赤い。


もしかしたら、目も赤くなってるかもしれない。



「私、今日の用事がなくなりました」


「……うん」


「このあとの予定は白紙です」


「うん……。あの……
俺んち、来る?」


「……はい」