すっかり放置していたサガラをふり返ると
サガラは背筋を伸ばして、ツカツカと先輩の方に歩いていった。
そして事務的な口調で口を開く。
「土屋先輩に、折り入ってご相談があるのですが」
「うん。今日は中止、だろ?」
「……ありがとうございます」
ふたりのやり取りを呆然と見つめる俺は、まだ状況が飲み込めてない。
飲みこめないまま、先輩は
「ラーメン特盛りで許してやる」
と俺に言い残し、ひとりで家ん中に入っていった。
……なんで?
先輩、これからカテキョの時間じゃねーの?
サガラも家に上がるんじゃねーの?



