「いくら俺でも、下級生に勉強教わってるなんて周りに知れたら恥ずかしいし。だから学校では他人のふりしてくれって」

「……」


じゃあ、

この2日間の俺の葛藤は、完全に空回りだったってこと?


勘違いして、暴走して、


あげくの果てに何も悪くない先輩に、回し蹴りまでかましちゃったってこと!?



「……すっ、すすすいません!! 先輩!!」


おでこが地面にめりこむ勢いで土下座をすると、先輩は


「ま、いいけど。それより」


と、俺の背後に目配せした。



「お前、サガラさんに話があって来たんじゃねーの?」


「あ……」