俺の演説をさえぎったのは、背後から聞こえた先輩の声だった。


むむっ、もう復活か!? 反撃か!?


すっかり気分はケンシロウな俺は、臨戦態勢でサッとふり返る。


が、先輩が俺にかかってくる気配はなく。


というか、むしろあきれた顔で、俺に蹴られた側頭部のあたりをさすりながら。



「お前、大きな勘違いをしてる」

「…へ?」

「サガラさんは俺の女じゃねぇ」

「………へ?」


「家庭教師だ」



………………は!?