そして金曜になった。


明日はとうとう約束の日。


俺はそのことばかり考えて、教室でサガラを見ると動悸がして

恋する乙女みたいな自分に、自分でも圧倒されてしまった。



午後イチの授業は体育。


ちょっと遅れて更衣室に行くと、中はすでにいっぱいらしく

ドアを開ける前から話し声が聞こえてきた。



「マジで!?」


ひときわデカいこの声は、タカシだ。


何を騒いでるだろう、とふと耳を傾けると。



「あのサガラが!? 男に興味なんかなさそうなサガラが!?」



えっ……?