【短】愛らぶ★ヒーロー



「中3の夏休み、町立センターで行われたんですけど。覚えてますか?」

「あ……うん。何となく」



ホントは“何となく”どころじゃない。


それは例の、コテンパンにやられた負け試合だ。


見られてたんだ……。


気まずさに潰されそうになりながら、目を泳がせていると。



「私、感動しました」


いつもの淡々とした口調で、サガラが言った。



「自分より強い選手に、果敢に立ち向かっていって。

おかしな言い方ですけど、大切な人のために戦っているように見えました。

まるで、ヒーローみたいって思ったんです」



「……」