「中3の夏休み、町立センターで行われたんですけど。覚えてますか?」
「あ……うん。何となく」
ホントは“何となく”どころじゃない。
それは例の、コテンパンにやられた負け試合だ。
見られてたんだ……。
気まずさに潰されそうになりながら、目を泳がせていると。
「私、感動しました」
いつもの淡々とした口調で、サガラが言った。
「自分より強い選手に、果敢に立ち向かっていって。
おかしな言い方ですけど、大切な人のために戦っているように見えました。
まるで、ヒーローみたいって思ったんです」
「……」
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