「どれですか?」 のぞきこんだサガラの髪から、ふわっといい匂い。 俺は不覚にも、ドキン! 「あ、あの、この問題が」 「あぁ、これはですね」 ……今までほとんど聞いたことなかったサガラの声は、間近で聞くとちょっと甘くて 淡々とした口調とのアンバランスさが、逆に魅力的だった。 ペンを持つ右手は真っ白で、陶器でできてるみたい。 ふせた瞳の、長いまつげ。 可愛らしく動く唇――… ――『私の処女をもらってくれませんか?』 うあぁっ、コラッ、俺! また妄想してただろ、アホ!