よし! 俺は気合いを入れて立ち上がると、数学の教科書を片手に、サガラの席に向かった。 「お……おはよ」 机の前に立って、おずおずと声をかける。 サガラは問題集から目を離すと こっちが思わずひるんじゃうくらい、まっすぐな瞳で俺をじっと見上げた。 「おは、よう」 沈黙に耐えきれず、また同じことを言うと。 「もう午後ですよ」 「……すんません」 初めて直接交わした会話がこれだなんて、ちょっと凹むぜ。