「別に何もしてねーよ!」


バレバレな否定をしながら教科書を開いて、


「さ、タカシ!自習だ自習!」

「はあ??」


シッシッ、と手でタカシを追い払い、机にかじりつく俺。


タカシは「どうしたんだよ、ヒロ~」と文句言いつつも、あきらめて他の友達のところに行った。



……ふぅ。とりあえず一安心。


俺は顔の前で教科書をひろげ、チラッとななめ前に視線を走らせる。


おしゃべりで騒がしい教室の中、

ピンと背筋を伸ばして、問題集を解くサガラの姿。



「……」



髪、キレーだなぁ。

触ったら気持ちよさそ。