「ヒロくん。ちゃんと手、洗ったぁ?」 「へ? もちろん」 「よかった~」 そう言いながらユミ子ちゃんは俺の手を取って、自分の方へと引き寄せた。 俺の腕に、ユミ子ちゃんの胸があたる。 「ねぇ、ヒロくんって、一発屋のヒロって言われてるんでしょ?」 「土屋先輩に聞いたの?」 「うん。でも昔は空手やってたって今知ったから、イメージちがくてビックリしたぁ」 「……」 「けどさ。そんなむさ苦しいのより、今のヒロくんの方が絶対イイよ」