「すご~い、強いんだね~」 大げさにはしゃぎながら拍手したのは、土屋先輩の知り合いの女の子。 その子は冷蔵庫から新しいビールを出して俺に渡すと、当たり前のように隣に腰をおろす。 ……あ、俺狙いですか。 「名前は? あたしユミ子」 「……ヒロ」 「へ~っ、カッコいい名前だね! “ヒーロー”みたいな~」 「そうそう、こいつマジで昔、ヒーローに憧れてたんだぜ」 横で聞いてた土屋先輩が、いきなり割り込んできた。