「何だよ、飲んでねーじゃん」


どすっ……!と右肩にいきなり体重がかかり、俺は考えごとの世界から現実に戻った。



「……重いっす、先輩」

「お前、今日ノリ悪い」


そう言いながらさらに体重をかけてくるのは、2年の土屋先輩。


今日は先輩の部屋で、てきとーに人数を集めて飲み会だ。



「先輩、どいてくださいよ。
あっ、ビールこぼれるっ」

「こぼれる前に飲め!」



酔っぱらった土屋先輩には逆らえない。

この人の女グセと酒グセの悪さはハンパないのだ。


俺は観念して、缶ビールを一気飲みした。