今度は俺からのメールが止まってしまった。


なぜか頭がフリーズして、返事を打つことができない。


“引っ越すんです”という部分をアホみたいに何度も読んでいると、

サガラから続けてメールが来た。



【そういう事情ですので、処女をもらって頂くのは今月中でお願いします。
日時や場所は問いません。
そちらの気が向いたら言って下さい】




メールを読み終えた俺は、視線を携帯から窓に移した。


気分は高揚しているのに、胸の奥はなぜか重い。



美術室のサガラは、もう携帯をポケットにしまい、机に向かっていた。