【でも、なんで俺なんかに処女をあげようって思ったの?】
【募集があったから応募したのですが、いけませんでしたか?】
【いやいや!いけなくねーし!
全然オッケー!
…でもフツーは処女って、好きな人に捧げたいと思うもんじゃねーかなぁ、なんて】
すると、それまでテンポよく行き来していたメールが急に返ってこなくなった。
あ、俺、しくじった?
「だったら辞める」とか言われんのかなぁ。
ソワソワしながら美術室を見つめていると、やっと返事が届いた。
【私、12月いっぱいで仙台に引っ越すんです】
「………」
12月……って。
今月だよ、サガラ。



