「日向さんに何がわかるんですか?」



「えっ?」



「亜梨子を保育園に預けて会社で仕事して

会社が終われば真っ先に亜梨子を迎えに行って買い物をして

ご飯を作って食べさせて風呂に入れて寝かせる

そして休みの日は必ずどこか遊びに連れて行ってる


私は男手ひとつで亜梨子を育ててきた


母親がいない分寂しい思いをさせないように

家事も仕事も精一杯頑張ってきた


なのに愛情が足らないって

あんたに何がわかるんだ?

秘書の仕事に子育て

毎日寝る時間なんて数時間しかなくて

こっちは倒れる寸前なんだよ

何も苦労してないあんたに偉そうに言われる筋合いない」



「なっ…私は「はいはい、そこまで」



目の前に腕が延びてきて


話を止められた


蓮?



「そういう話は亜梨子がいねぇところでしろよ、」



「あっ…」



熱くなりすぎて亜梨子ちゃんの存在忘れてた



村上さんの腕の中で俯いたまま動かない亜梨子ちゃん


ヤバい…



「村上、帰れ!」




「言われなくても帰りますよ」