カウンセリングの時間がやってきた。 手元に置いていた腕時計を手に巻き付け、資料を手に持ち 彼女が待つ部屋へと向かう。 歩幅は心なしか大きい。 ドアの前に立ち、 何となく白衣を整える。 別にこれが勝負服でも何でも無いのだけれど。 しかし、これを脱いでしまえば、俺もただの男だ。 医者でも、何でもない。 そうすれば彼女と…… いや、そんな話はやめよう。 「お待たせしました。」 ドアを開けると、 彼女は外を眺めていた。