次の日、
私は、学校へ行くと黒木の元へかけつけた。



「ちょっと話あるんだけど。」



黒木は

「は?」


と言って、どこかへ行こうとした。


「ねぇ!話あるって言ってんじゃん!!」



女は頑固な生き物。

こんな所で引き下がれない。




「なんだよ!オレはお前にフラれたの!もう、お前になんか用はないんだよ!!」



廊下で怒鳴るが、私は無理やり腕を掴んで歩きだした。


男の力なら、すぐに振り払えるはずだが
黒木は黙ってついてきた。


屋上。





「何?話しって。」


あぐらをかいて座りながら黒木が言った。



「明後日、リョウが帰ってくるの。」


私は、黒木の前に立って言った。



「北海道から?」


その話か。

というような表情で答えてくる。


「だから、」




「だから?」



「明後日、リョウに会って謝って。」



言った。



もう、黒木を恨んでなんかない。

素直にリョウに謝ってくれさえすればそれでいい。


それで、何もなかったようにしたい。



もう、関わりを持たなければいい。



「わかった。」


すんなり受け入れ、屋上を後にした黒木。


その後ろ姿をいつまでも眺めていた。