廊下の窓の外を眺めながら、言った。


彼の表情は、悲しそうなんかじゃなくて・・・・。



とても、平静だった。



この人、何言ってるの?


「そんなハズないよ!!まだ17だよ!?車なんて運転できない!!」



思わず、叫んだ。


でも、今は周りを気にしてる暇はない。


幸いなのか?先生が廊下にくることはなかった。



「そうだよ。でも、運転したんだ。」


・・・・もしかして・・・。





「無免許・・・・運転・・?」




「そう。」


彼は静かに言った。




何?ありえない。


なんで、無免許で運転なんかしてんの?


しかも、「リョウ君元気?」って・・・・。




なんでそんなに平気で言えんの?



「オレも、急いでてね。どうしても行かなきゃならない用があったんだよ。」



勝手に話しだした。



「だから、親の車勝手に乗って行った。」



「なん・・・で・・・?運転できるわけない。」



「できるよ。友達の車で運転した事あるし。」




コイツ、何回も無免許運転してたんだ。



「信号も見てる場合じゃなかった。」


それに加えて、信号無視までしてたんだ。



「そしたら、制服の男が出てきて。」



「引いたんだ。」


私は、下を見ながら言った。


「うん。で、どうしようもなくて急いでて。そのまま行った。」




どうしようもない・・・?


どうしようもなくないでしょ・・・。



すぐに、救急車呼べばよかったのに。


コイツ、私情で人の事引いても、急いでるって理由でそのまま行っちゃうんだ。



ありえない。



もう、だめだ。



私の怒りは、一気に爆発した。