「転高生、イケメンだね。」


奈々と、いつものように昼休みのガールズトーク。



「そうだね。」



「あ、あんま興味示さないな・・・。ま、ののかは中谷一筋か。」



ヒューとからかってくる。


「そ・・・っまぁ、そうだけど。」


「顔真赤だっぞ~」


だって・・・・恥ずかしいじゃん。



でも、本当だよ。私はリョウだけだよ。


この気持ち、届いてる?


北海道でも、私の事考えてくれてる?



連絡もないし、早く会いたい。


夏休みまで、一日一日が長いよ。



夏休みにはいったらすぐ会いに行くから。



だから・・・・もう少し待ってて。



窓から空を見上げて、遠いリョウに向かって

思いを飛ばした。








「おーい。聞いてない?」


奈々が顔をのぞきこむ。


ハっとして、ワタワタする。


「中谷のこと考えてたな~」



このこの~と、私の肩をつつく。


「へへ。」


照れ笑い。


「あ、チャイムだ!選択だ!じゃぁね。」


5時間目は、選択授業。


断然理数系の奈々は、筆箱だけを持って、教室を出て行った。


私は、数学が苦手。

だから、選択科目は国語。



私もいかなきゃ。

筆箱とプリントを持って、教室のドアを開けた。