前のオレとは、記憶が無くなる前の自分の事だろう。



「しってるよ。」


すると、しばらく沈黙が続いた。



そして、




「じゃぁ、また仲良くして。」




何を思ったのか、いきなり私にみかんを投げ渡した。



「お近づきのしるし。」




しるし・・・・っていうか、
このみかん私が、リョウにあげたものなんだけど。



「あ・・・ありがと。」



そう言って、病室をあとにした。



手をひらひらと振って見送るリョウ、
きっと誰も来なくて暇だったのだろう。





私は、ちょうどいい話相手ってとこか?




それから、私は毎日
学校が終わるたびに、リョウがいる病院へ行った。



リョウの両親も、リョウにとって私が大切だとでも思ったのか、
積極的に会いに行くことができた。




これから、いっぱい思いでつくるぞ!!