好きって言いたい。


でも・・・

言えないんだ。



この関係を、壊したくないから・・・・





だけど、


私はずっと


あなたを愛し続ける。







「おーい、ののか。帰んぞ。」


教室の掃除をしている私に呼びかける彼は、中谷リョウ。

背が高くて、短く黒い髪。

目は、いつもイキイキとしている。

高1だというのに、大人っぽい。








私たちは、幼馴染。









小さい頃からずっと一緒で、登下校もいつも2人。

周りの友達には、よくひやかされるけど

私は、別に構わない。


だって・・・・・







私はリョウが好きだから。






ただの幼馴染から、「好きな人」に変わったのは、中2の春。



先輩という立場になって、
しっかりとしてきたリョウ。



それに比べて、



まるでダメだった私。





でも、そんな私を助けてくれたり・・・・




優しかった。



背も伸びてきて、
急に大人っぽくなったリョウに目が離せなくなっていった。










まぁ、そんな事
リョウが知るはずもないんだけどね。





それはそれで、ちょっとさみしい・・・









「ちょっと待って。」






そう言って、ほうきを持つ手を速める。