短編:星夢

 
(ばいばい)


こんなに何度も

別れを唱えてるのに

往生際の悪い恋心が

いつまでも消えてくれない。







ねぇ、王子様

目が覚めたとき、

色々な魔法が解けていて

私達はもぅ

傍にいられない事も

ちゃんと受け入れるから



最後に

あなたの存在も

魔法だったと

だから

いなくなってしまったんだと

そぅ、思わせて。





私達はまだ高2。

あと1年半、傍にいるんだね。

魔法が溶けるのと一緒に

記憶も溶けてしまえば

どれだけ

楽だっただろう。



(ばいばい)


何度もこの呪文を唱えて

記憶を消す魔法が

私にかかることを

願っているよ。




〔End〕