そうして、1度のキスをした。 「俺、詩花って名前もすき」 「…どうして?」 「詩の花だもん。一曲書けそう」 「私は…美波の方がすき」 美しい波、の方が よっぽど素敵な名前だと思った。 けれど、波は 押し寄せては去ってゆく。 きみも、同じ。 押し寄せて 去ってゆく 美しい、さざ波。