その時だった。

並木道の角を曲がった先にその目的地はあった。

-私立 愁英(シュウエイ)大学。

今まで、柚実が歩いてきた桜並木の道の隣には、コンクリートの塀のようなものがそびえ立っていた。

この塀は、この大学のキャンパスをぐるりと囲んでいたらしい。

こんなに高い塀がある学校は珍しい。

防犯用かな?

柚実はそう思いながら、塀から門へ目を移す。

さすが、名門の愁英大学。

初めて見たけど、綺麗な建物に、手入れが行き届いてる庭、それに噴水。

すごすぎる…。


この愁英大学は、大学のレベルもとても高いのだが、それよりも、お金持ちの学生が集まるというので有名な大学だ。

その話が本当なのだというのは、学校の設備の良さから十分に納得することが出来た。