ジュッ―…

柚実は、油の中に鶏肉を入れた。

柚実は、今夕飯を作っている。

「あー。お腹すいた。まずはご飯作ってよー!!」と言われたからだ。

肉を揚げている間にサラダを仕上げ、スープを作る。

カラッと揚がったから揚げを大皿に盛り付けて、テーブルの真ん中に置く。

そして、スープ、ご飯も全員分盛り、テーブルに置いた。

「できたわよ!!」

リビングでくつろいでいる男たちを呼ぶ。

『おおー!!』

最近、よっぽどマシなご飯を食べていなかったのか、男たちはテーブルを覗き込み、声を上げた。

ガタガタと椅子を引き、5人は席に着いた。

『いただきますッッ!!』

柚実が、席に着くより早く、から揚げに箸が突き刺さる。

(ハッッ…ハイエナ!!)

もう、柚実の分がなくなるのではないかと思うほどのスピードだ。

早くしないと、自分の分がなくなる。

そう思った柚実は、急いで、自分の分のから揚げを取った。

ものの数分でなくなったから揚げ…。

さすが男…。

次は、もっと多めに材料買ってこよう。

柚実は、空になった大皿を見て、そう思った。