☆
アディマとダイ。
イデアメリトスの世継ぎが、たった一人の護衛だけを連れて、門の外に出てくるなんて。
景子は、それにどう反応したらいいか、分からなかった。
けれども、近づいてくるアディマは、彼女を見つけて幸せそうな瞳になるのだ。
微笑んでいるわけではない。
目だけで、彼女に会えた嬉しさを伝えてくれる。
室長は、一瞬誰か分からなかったようだ。
「職務、ご苦労だね」
穏やかにかけられた声に、室長ははっと気づいたように臣下の礼を取った。
景子は。
ぼーっと彼を見ていた。
腰をかがめて、女性らしくご挨拶をしなければならないというのに。
「おそれながら…イデアメリトスの御方とお見受けいたしましたが」
顔を上げられないまま、税務府の室長は静かに声を綴る。
「税務府に行ったら、こっちだと聞いたからね…職務の邪魔はしないよ」
彼に立ち上がるように許可を出しながら、アディマは外畑を見た。
「この畑に、倍の実りを与えてくれると聞いてね」
イデアメリトスの瞳が、景子を見る。
あう。
その言葉は、彼女にプレッシャーを与えてくれる。
だが、その重圧に耐え、景子をぐっと顔を上げるのだ。
「はい、精一杯頑張ります」
アディマが、仕事として来ているのならば、彼女も仕事として答えなければならない。
彼は一度、肯くように瞳を伏せる。
「ところで、ひとつ聞きたいのだが」
視線は、ゆっくりと再び景子に向けられた。
「イエンタラスー夫人の屋敷にいる女性を知っていると思うが…彼女は、我が国の手伝いをしてくれるだろうか」
室長がいるために、回りくどい表現になるのだろう。
だが、そんなアディマの言葉は、景子を一言ごとに明るくしていくのだ。
景子は、心の底から笑顔になった。
「はい、きっと!」
彼女の太陽は、ちゃんと遠くまで見ていてくれたのだ。
アディマとダイ。
イデアメリトスの世継ぎが、たった一人の護衛だけを連れて、門の外に出てくるなんて。
景子は、それにどう反応したらいいか、分からなかった。
けれども、近づいてくるアディマは、彼女を見つけて幸せそうな瞳になるのだ。
微笑んでいるわけではない。
目だけで、彼女に会えた嬉しさを伝えてくれる。
室長は、一瞬誰か分からなかったようだ。
「職務、ご苦労だね」
穏やかにかけられた声に、室長ははっと気づいたように臣下の礼を取った。
景子は。
ぼーっと彼を見ていた。
腰をかがめて、女性らしくご挨拶をしなければならないというのに。
「おそれながら…イデアメリトスの御方とお見受けいたしましたが」
顔を上げられないまま、税務府の室長は静かに声を綴る。
「税務府に行ったら、こっちだと聞いたからね…職務の邪魔はしないよ」
彼に立ち上がるように許可を出しながら、アディマは外畑を見た。
「この畑に、倍の実りを与えてくれると聞いてね」
イデアメリトスの瞳が、景子を見る。
あう。
その言葉は、彼女にプレッシャーを与えてくれる。
だが、その重圧に耐え、景子をぐっと顔を上げるのだ。
「はい、精一杯頑張ります」
アディマが、仕事として来ているのならば、彼女も仕事として答えなければならない。
彼は一度、肯くように瞳を伏せる。
「ところで、ひとつ聞きたいのだが」
視線は、ゆっくりと再び景子に向けられた。
「イエンタラスー夫人の屋敷にいる女性を知っていると思うが…彼女は、我が国の手伝いをしてくれるだろうか」
室長がいるために、回りくどい表現になるのだろう。
だが、そんなアディマの言葉は、景子を一言ごとに明るくしていくのだ。
景子は、心の底から笑顔になった。
「はい、きっと!」
彼女の太陽は、ちゃんと遠くまで見ていてくれたのだ。


